「食べない」を、「楽しい」に変える

幼児の食を楽しく。レシピと声かけで「食べない」を解決

食育が苦手なママでも続けられる5つの方法。管理栄養士ママが教える食を楽しむ習慣づくり

Gemini thumbnail 食育の考え方・習慣づくり

「食育って大事って聞くけど、正直うちの子が食べてくれるかどうかで精一杯で…」

そう感じているママは、実は10人中7人くらいいたりします。

毎日ご飯を作って、残されて、また次の日も作って。そのループの中で「食育」という言葉を聞くと、どこか罪悪感みたいなものを感じてしまうこともありますよね。

でも正直に言うと、食育は「特別なこと」じゃなくていいんです。

わたし自身、管理栄養士として7年間病院で働いてきたのに、自分の息子(当時3歳)にはご飯を全然食べてもらえなかった時期があります。「食のプロなのに…」という自己嫌悪と、毎日の食卓での小さな戦いで、本当に消耗していました。

そんな経験があるからこそ言えるんですが、食育は「完璧に栄養を管理すること」ではなく、「食べることを好きになってもらう習慣づくり」なんです。

この記事では、忙しいママでも今日から続けられる食育の方法を5つ、具体的にお伝えします。偏食のお子さんがいても大丈夫。むしろ、そういうご家庭にこそ試してほしい内容です。

食育って結局、何をすればいいの?

食育で何をすればいいのか

「食育」という言葉、なんとなく難しそうに聞こえませんか?

保育園や小学校でやるもの、専門家がやるもの、という印象を持っている方も多いんです。でも実際には、食育とは「食べることへの興味・楽しさ・知識を育てること」で、日常の食卓でできることがほとんどです。

食育の本当の意味

食育基本法(2005年制定)では、食育を「生きる上での基本であって、知育・徳育及び体育の基礎となるべきもの」と定義しています。難しく聞こえますが、かみ砕くとこういうことです。

  • 食べることへの興味・好奇心を育てる
  • 食べ物の命や感謝を伝える
  • 食事の楽しさを体験させる
  • 自分で食べることを選ぶ力を育む

つまり、「何を食べるか」よりも「食べることをどう感じるか」の方が大事、ということなんです。

食育と偏食の意外な関係

偏食の子どもに食育をしても意味があるの?と思う方もいるかもしれません。でもそれこそ、逆なんです。

食育によって「食べることが楽しい」という経験が積み重なると、新しいものへの挑戦意欲が育ちます。偏食の子ほど、食育で「食への興味」を育てることが、長い目で見た偏食改善への近道になることがあります。

ポイント

食育は「完食させる技術」ではなく「食べることを好きにさせる習慣」。偏食の子ほど、食卓を楽しい場所にすることが大切です。

うちの息子も、食育を意識した食卓づくりを始めてから、それまで絶対に食べなかったトマトを自分から食べた日が来ました。「食育って本当に効くんだ」と実感した瞬間でした。

食育が苦手なママがやりがちな3つの失敗パターン

食育が苦手なママの失敗パターン

食育を始めようとして、逆効果になってしまうパターンがあります。よくある失敗を先に知っておくと、遠回りせずに済みます。

失敗① 「食べさせること」が目的になっている

✕ NGな例

「食育のために野菜を食べさせなきゃ」→ 食事が戦場に。子どもが食卓を嫌いになる。

◎ 正しい例

「今日は野菜を触ってみようか」→ 食べなくてもOK。まず「関わる体験」を積み重ねる。

食育の最初のステップは「食べること」じゃなくて「食べ物に興味を持つこと」です。

触る、においを嗅ぐ、名前を覚える。それだけでも立派な食育なんです。

失敗② 「毎日完璧にやろう」とする

食育を頑張りすぎて燃え尽きてしまうパターンです。

・毎食バランスを完璧にしようとする
→ 疲れてイライラする→ 食卓の雰囲気が最悪になる→ 子どもが食事を嫌いになる

食育で一番大事なのは「続けること」です。週1回の体験でも、1年続けたら52回。それが子どもの記憶に積み重なります。

失敗③ 子どもを「食育の対象」として見ている

食育は大人が子どもに「教えるもの」ではありません。子どもと一緒に「体験するもの」です。

「なんでこれ食べないの」「食育してるのに意味ない」ではなく、「一緒に楽しもう」のスタンスが、実は一番早く効果が出ます。

偏食で悩んでいるママへ、まずこちらも参考にしてみてください。→ 幼児の偏食がひどい・食べない原因5つと管理栄養士が教える克服のコツ

今日から始められる食育の方法5つ

今日から始める食育の方法

失敗パターンを踏まえた上で、実際に試してほしい食育の方法を5つご紹介します。どれも「今日の夕食から」できることだけ選びました。

方法① 食材を一緒に洗う・ちぎる「クッキング参加」

食育の効果が一番出やすいのが、調理への参加です。

2〜3歳の子なら野菜を洗う、千切りにしたものを入れるだけでも立派なお手伝いです。4〜5歳になれば、バナナをちぎる、レタスをちぎる、豆のさやをむくなどができるようになります。

「自分が作ったもの」というだけで、子どもが食べてくれる確率は、わたしの体感では10人中8人くらいにはなります。

それこそ、嫌いな野菜でも「自分でちぎった」というだけで食べてくれたりするんです。

ポイントは「結果を求めない」こと。上手にできなくても「一緒に楽しめた」ことが食育として大成功です。

方法② 食材の「名前と産地」を一緒に覚える「食材探険」

スーパーで買い物をするとき、子どもと一緒に食材を見ながら話しかけるだけでできる食育があります。

  • 「このにんじんはどこから来たのかな?」
  • 「ブロッコリーって木みたいな形だね」
  • 「これ、触ってみてどんな感じ?」

食べるかどうかは関係ありません。「食材を知る・興味を持つ」体験が、食育の第一歩です。

知っている食材は食べてみようという気持ちになりやすい。これは多くの管理栄養士が口を揃えて言うことで、実際にわたしも息子との買い物を通じて実感しています。

方法③ 「食べ物の旬」を体験させる「季節の食育」

日本には四季があって、旬の食材がたくさんあります。これを使わない手はありません。

春ならたけのこ、夏ならとうもろこし、秋なら栗、冬なら大根。旬の食材は栄養価が高く、味も濃く、子どもの興味も引きやすいという三拍子が揃っています。

豆知識

旬の食材は同じ野菜でも栄養価が最大で2〜3倍になることがあります。食育的にも、環境的にも、旬を意識した食事は子どもに伝えたい大切な習慣です。

「このとうもろこし、夏にしか食べられないんだよ」という一言が、子どもの食への好奇心に火をつけることがあります。

方法④ 「食べ物への感謝」を伝える「いただきます」の意味づけ

毎日何気なく言っている「いただきます」ですが、食育の観点では実はとても大切な時間です。

「いただきます」には、食材への感謝、作ってくれた人への感謝、命への感謝の3つの意味があると教えてあげると、子どもが食事に対して大切にする気持ちを育てられます。

難しく話す必要はなくて、「このお魚さん、私たちのために頑張ってくれたんだよ」くらいで十分。子どもは案外、そういう話をちゃんと覚えています。

方法⑤ 「失敗してもOK」な料理体験を積み重ねる

食育で一番続けにくいのが、「完璧にしなければ」というプレッシャーです。

でも食育の本質は、失敗も含めて「食べることの体験」を積み重ねること。焦げてもいい、形が崩れてもいい、味が変でもいい。それも含めて食育です。

「今日はなんかうまくできなかったね〜」「また次試してみようか」という会話ができる食卓こそ、子どもが食を愛せる環境になります。

幼児食で悩んでいる方は、こちらの記事も読んでみてください。→ 幼児食を全然食べない。管理栄養士ママが試してよかった5つの対処法

食育を続けるための「しくみ」づくり

食育を続けるしくみ作り

食育がなかなか続かない一番の理由は、「頑張りすぎていること」です。

頑張らなくても続けられるしくみを作ることが、食育を長く続けるコツです。

「食育の日」を週1回だけ決める

毎日完璧にやろうとすると続きません。

まずは「週1回だけ、食育デーを作る」ことから始めましょう。たとえば土曜日の朝食だけは子どもと一緒に作る、と決めるだけで十分です。

週1回でも1年間続けたら52回。それだけの体験が積み重なれば、子どもの食への意識は確実に変わります。

「記録」で小さな変化を見える化する

食育の効果はすぐには見えにくいです。だからこそ、小さな変化を記録することが継続のモチベーションになります。

スマホのメモに「今日、ブロッコリーを少し触れた」「にんじんのにおいを嗅げた」など、一言でいいので書いておくと、3ヶ月後に振り返った時に成長が見えてきます。

うちの息子の記録を見直すと、最初は野菜を触ることすら嫌だったのが、半年後には自分でサラダを作りたがるようになっていました。

パパ・保育園と「食育の情報」を共有する

食育は家だけでやると孤独になりがちです。パパや保育園の先生と食育の話をすることで、子どもへの影響が格段に増します。

「今日、○○を一緒に作ってみたら食べてくれた」という情報をパパと共有するだけで、食卓の雰囲気が変わります。

保育園でも食育活動をしているところが多いので、連絡帳や送迎の時間に「家でこんなことをやってみました」と話すと、先生と連携した食育ができます。

管理栄養士ママが実際にやってよかった食育のやり方

管理栄養士ママの食育実践法

最後に、わたし自身が「これは本当に効いた」と感じた食育の体験を正直にお伝えします。

「食べなかった」記録より「体験した」記録をつける

食育を始めた頃、わたしは「今日も食べなかった」という記録ばかりつけていました。これが一番いけなかったんです。

食べた・食べなかったじゃなく、「今日、○○を体験した」という記録に切り替えたとたん、食育への気持ちが楽になりました。

体験の記録:

  • ほうれん草を初めて触った
  • たまごを割るお手伝いをした
  • お米を洗う感触を楽しんだ

これだけで十分な食育です。食べなくてもいい。

「食の失敗談」を笑い話にする習慣

息子が離乳食をほとんど食べなかった時期のことを、いまでは笑い話にしています。「あの頃、ママも必死だったんだよ〜」という話をすると、息子は嬉しそうに聞いています。

食育は「今この瞬間」だけじゃなく、長い時間をかけて作り上げるもの。今日うまくいかなくても、それも家族の食の歴史の1ページです。

「今日も食卓に座れた」を正解にする

食べなかった日も、嫌いなものを嫌がった日も、「一緒に食卓に座れた」だけで食育は成功と思うようにしました。

食卓を怖い場所にしないこと。それが食育の土台で、一番大切なことです。

まとめ。食育は「楽しい食卓」から始まります

食育まとめ
この記事のポイント
  1. 食育とは「食べることへの興味・楽しさ・知識を育てること」。完食させることではない
  2. 食育が続かない原因は「頑張りすぎ」と「完璧主義」。週1回から始めれば十分
  3. 今日からできる食育5選:①クッキング参加 ②食材探険 ③季節の食育 ④いただきますの意味づけ ⑤失敗OK料理体験
  4. 食育の記録は「食べた・食べなかった」ではなく「体験した」で残す
  5. 食卓を楽しい場所にすることが、偏食改善・食育継続の一番の近道

食育は、完璧にやるものじゃないんです。

偏食があっても、忙しくても、ご飯を残されても。それでも毎日食卓を囲んでいること、一緒にご飯を食べようとしていること、それ自体がもう立派な食育です。

「もっと楽に、もっと笑顔の食卓へ」——そんなあなたのそばに、この記事がありますように。

偏食の子どもに悩んでいる方は、こちらも合わせてご覧ください。→ 偏食の子でも食べてくれた幼児食レシピ5選

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